グレータイルを纏う

最近は曲線美について書くことが多かったのですが、もちろん直線も好きです。特に幾何学的な建物を見ると自転車を止めて見入ってしまいます。グレーの45角タイルに包まれた今回のマンションも前を通るたびに気になっていた建物でした。

鎌倉市由比ガ浜エリアは、大通りを1本入った住宅街にもこじんまりとしたカフェやショップが隠れていて、背の高い松の木が街をユニークな風景にしてくれています。マンションも多いエリアではありますが、高さに制限があるため募集区画の3階からは抜けた眺望が楽しめます。

まずは外観から見ていきましょう。江ノ電の線路に向かって雁行型に建つ姿は堂々としています。カクカクとした形や、上下に分かれた背の高い窓と外壁がほぼフラットにおさまっている部分、ボコっと凹んだバルコニーなんかは見ていて気持ちいいくらいです。

玄関側に回ってみると、やはりこちら側もかっこいい。贅沢なくらい幅が広い共用部の廊下には雨除けのガラス張り三角屋根がついていて、金属のフレームとガラス張りの手すりも相まって開放的であると同時にスリムな印象も。

そして極めつけが青空に照らされてキラキラしたグレータイル。なんか惹かれるんだよなぁと思っていたら、たまたまある建築家の「良いと思ったら図りまくれ」という言葉を思い出してメジャーを当ててみたところ、目地が5mm、タイルが45mm×45mmでした。外壁の建材として長方形タイルはよく見かけますが、正方形は少ないように思います。このサイズ感も一つの惹かれる要因かもしれません。

さて、室内はというと、直線の交錯するスッキリした空間です。外から見えた背の高い窓は床から立ち上がっていて、リビングの壁一面がほぼ窓という状態。ここのフローリングが若干のフカフカするのは好みが分かれるところかもしれません。

洋室2部屋と廊下は毛足の短めなカーペット敷で、色は個人的に好きな淡いアイボリー。広い和室には新しい畳の香りが充満し障子を開けると周囲の植栽が天井を伝って入り込んできます。

125平米という広さは、一般的な2階建の一軒家と同じくらいのイメージなので、ちびっ子3人の5人家族でも広々と暮らせそうです。また、エレベーターで3階まで上がり、室内は階段で移動しなくてもいいというのは嬉しいポイントかと。

そういうわけで、内見の際はぜひメジャーを持ってお越しください。