シンプルを求めて

このまちに暮らす人を見ていると、生き方がシンプルだなと感じます。自然の中で過ごすことを大切にしていて、自分が心地いいと思うことを実践していて、自然体でおおらかな人が多いようにも思います。

この物件は、そういう生き方に憧れて移住してきたいと感じている方に似合うように思います。

2階のリビングから見えるのは、窓の向こうの清々しい海。浜辺で寛ぐ人々と、ゆったりと流れていくウィンドサーフィンの帆。逗子の海はいつも穏やかで優しい波が立つので、散歩にも適していてお気に入りの海です。そしてもちろん、青い空と山の緑。この逗子らしい景色は、ここに来てよかったと思わせるものがあります。

2階のリビングに使われている床材は、恐らく無垢材で経年変化してなめらかな肌触りを感じさせます。素足で過ごすのが気持ちよさそうな床は、この土地の気候にも合っていると思います。造作のキッチンは、どこかカントリーレトロな雰囲気が可愛くて好みでした。

1階は海とは反対側に居室があり、ここを寝室とするのがよさそうです。海と反対ということは、134号線の反対側ということですから、夜間の車やバイクの走る音も少し緩和されるのでは。1階にはタイル貼りが可愛らしい浴室や洗面などもあります。よくあるユニットバスでないところがニクイです。

1階の庭は、134号線側ではなく北側となります。庭で過ごす時間は、海から上がってきてボードをメンテナンスしたり、植物の手入れをしたり、バルコニーに洗濯物を干したり。そんな使い方となるでしょう。

さて、この物件はワンフロア・ワンルームの間取りのため、人数分の個室を求める方はちょっと不便を感じそうですが、個室って本当に必要ですかと、ここで問いたいと思います。ご家族で暮らすにしても、パートナーと二人暮らしにしても。この海が目の前の空間で過ごしていたら、いい意味でオープンな気持ちになると思うのです。

お互いの声や気配をなんとなく感じられて、眠るときも川の字で。特に仕切りを設けることは必要ないかもしれません。どうしても一人になりたくなったら、近くのカフェへ行ったり、近所の映画館で映画に没入すればいい。海に出てぼーっとしてもいい。その方が自分の部屋にこもるよりも、リフレッシュできるということもあるかもしれません。

この部屋に置く家具というのも、本当にシンプルでいいのかもしれないですね。あれこれ家具を置いてみても、もしかしたら海が見えるのを邪魔してしまうかもしれません。まずは、身ひとつで毎日海を眺めることから始めて、本当に必要なものを見極めて、徐々に自分らしくクリエイトしていく。そんな暮らし方ができたらいいですよね。

※建物は134号線、海に面していますので、車の音がしたり、潮風、砂が飛んでくることがあります。建物自体は築47年となります。室内は前所有者がリフォームしました。