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2020.11.7
鎌倉団地に暮らすひと

第2回・小林幹也さん(一人暮らし・セカンドハウス)

渡辺麻里子(鎌倉R不動産)
 

「鎌倉R不動産」がプロデュースする「鎌倉団地」に暮らすひとをご紹介するコラム。
第2回は、2020年6月から「鎌倉団地」に住む、小林幹也さんです。家具やプロダクト、インテリアまで幅広くデザイナーとして活躍する小林さん。物件との出会いは2020年5月で即決でした。DIY工事も完了して、いまはどんな暮らしをしているのか、お話をお伺いしました。

鎌倉団地に暮らすひと 第1回
鎌倉団地に暮らすひと 第3回

思い切り改装して、大人っぽい落ち着いた内装に仕上げた

東京生まれの小林さんにとって、鎌倉はいつか住みたい憧れのまちでした。物件を探していた当初は、鎌倉に週末だけでも来れるような、二拠点目の自宅が欲しいと思っていたそうです。かつ、自身がデザインした家具や壁紙などを「実際に使ってみたい」という気持ちで物件を探していたので、借主によるDIYが可能な「鎌倉団地」はまさに、これだ!とピンときたそうです。

都内から鎌倉までは車で移動するならたった50分。普段は東京で仕事をして、家族と過ごす家も都内にありますが、遠くて不便なところに来たという感覚では全くないそうです。もともと、都内から早朝に鎌倉までやってきて、サーフィンをしてからまた都内に戻り、仕事をするというライフスタイルだった時期があったからかもしれない、と言います。
仕事とプライベートを分けて、自然に近い場所で暮らし、愛犬2匹と一緒に過ごせる、というところも決め手となって即決しました。

自身がデザインした家具など、こだわりのインテリア

引渡し後は早速会社のスタッフ総出でのDIY工事が始まりました。DIYを始めた頃はまだ涼しかったのが、真夏にはセミの大合唱。そして秋の空へと変化していき、最近は夜になると虫の声が聞こえてくると言います。そんな季節の移ろいのそばにいると「もっとここにいたい」という気持ちが芽生えてしまったそうで、当初は週末だけと思っていたのが、週の半分くらいはここで過ごしているそうです。

室内でくつろぐ小林さん

鎌倉団地にいると、とにかく時間の流れが変わる。暗くなれば自然と仕事をやめて料理でもして晩酌をしようかとキッチンに向かうし、夜は街灯もなく暗くて静かなので睡眠の質が上がるのか、朝の目覚めもとてもいい。東京にいて、だんだん乱れるリズムをここでリセットできているイメージだと言います。

「働いていれば、どんな仕事の人でもアウトプットが必要になってくる。そのままだと、どんどん出ていくばかりで疲れてしまうから、鎌倉団地にきてリセットしてできた余裕に、新しいことをインプットする。そんな時間を必要としているんだと思っています。」

最近は、鎌倉に来るときには毎回顔を出す店がたくさんできたそうで。団地の近所で言えば、「かかん」さんのマーボー豆腐、「POMPON CAKES」さんのショートケーキ、少し足を伸ばして御成町の「kuriyum(クリヤム)」さんのカオマンガイなど、好みの味にも出会えたそう。
「ただ、夜に出かけてお酒を飲んでしまうと車で帰ってこられないから、ランチで利用することが多いかもしれません。夜は自分で作ることもあります。スーパーも20分くらい歩けばあるから、便利に楽しく過ごしています。」と笑顔で話します。

キッチンはクロスを貼り、棚板を加えた。緑が見えるところが気にいっている

小林さんは、仕事で地方に出張する機会も多く、これまでもいわゆる「田舎」と呼ばれる不便な場所にもたくさん通ったといいます。そういった場所に比べたら、なんて便利なところだろうと思っているのが本音だそうで。
「きっと、都会に住んでいて便利であることに慣れすぎているんです。便利なことが普通になってしまって、駅から徒歩何分でコンビニまで何メートルとか、それ以外の価値観をうまく受け入れられなかったりする。」と。
確かに、便利が普通になってしまうと、いつの間にかそれが当たり前で、頭がこり固まってしまう感じがします。「鎌倉団地」で実際に暮らすうちに、知らぬ間に刷り込まれた価値観もリセットされて、新しい価値観が生まれるのかもしれません。純粋に暮らしを楽しんだり、自然の移ろいに目を向けたり。そういった生活に憧れるといいつつも、どこかで足踏みしている人にとっては、ハッとする言葉ではないでしょうか。

窓際の畳ベッドで眠る。朝日が気持ちよく、生活リズムも整うそう

小林さんの区画の内装は、大人なイメージに仕上がっていました。引渡し時はもっとザックリしていてシンプルなハコだったので、この変わりようには目を見張ります。ほぼ自身とスタッフの力で仕上げたというから驚きました。特に壁の仕上は、自身が手掛けたクロスを貼るために、壁の凹凸をなくす作業をひたすらして、スタッフ何人かで大きなクロスと格闘し仕上げましたが「本当に大変だった。職人さんはすごい」とかなり体力勝負だった様子です。

それでも、できあがった空間にこれまでに自身がデザインした家具など、好きなものを配置し、ひとり(もしくは、スタッフや家族が遊びにくることもあるそう)で、この空間にいるだけで満足できる。そんな拠点を手に入れました。

キッチンの横にあるスペースで仕事をすることも

団地内でのコミュニケーションが面白いということも話題になりました。実は、かなり頻繁に回覧板が来るそうです。コロナの影響でいまは中止されてますが本来、夏祭りや正月の餅つき大会など、団地内でのイベントも盛ん。引っ越しの際に挨拶にいったときにも、近所の人たちがとても歓迎してくれたそうです。マンションの管理人さんとも、普段から会話を楽しんでいるそう。どこかアナログな人付き合いができるところも、鎌倉団地の魅力のひとつなのかもしれません。

テレビの下の棚も自作した

今後、もしできるなら団地の中で面白いことを仕掛けてみたいという話になり、「例えば、団地の1階部分がカフェやパン屋になったりとか、デリの移動販売車がもっと来るようになったりとか。いまは、団地の中にも空き家が多いようだけれど、実は若い世代の方が暮らしている区画もある。そういった人たちが自然と集まれるような仕組みがあると、もっと魅力的な団地になるのでは」と、アイデアがわいてきました。

鎌倉R不動産からのコメント
まったく不便ではない、と言い切る姿が潔くかっこいいなと思います。DIY可の賃貸住宅が少ない中で出会ったこの物件を、思い切り改装してくれたことにも喜びを感じました。これから、団地内でのあれこれを一緒にプロデュースしていきたいな、と妄想してしまいました。小林幹也さん(株式会社小林幹也スタジオ)が手掛けるショップ「IMPLEMENTS(インプリメンツ)」にも、ぜひ足を運んでみてください。

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