2010.9.3 |
3450藤井健之 富士山を登った、正確に言うと九合目付近までだけど。 ひさしぶりの山歩きだ。高度を上げるにしたがって気温も下がり、暑さが遠のいていく。斜面をジグザクに切り取った単調な登山道がえんえんと連なっていて、見下ろすと湖と町、そして右手の稜線のずっとさきに太陽は沈んでいく。空の色はこくこくと変わって、淡い光が濃い光へ、そしてゆっくりと暗闇が訪れた。 斜面には一定間隔で山小屋があった、小屋と小屋の間は暗闇だ、はるか下方に町の光が見える、空を見上げると星。道の先にはほのかに光が見える、次の山小屋だ。 3450mの表示があった、頂上まであと40分のところで下山することにした。いまならまだ温泉に間に合うかもしれない。そう、頂上に立ちたいわけではなく、ただ前に進みたいだけなことに気が付いた。 |
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