初回の事例は、生まれも育ちも鎌倉、そんな地元人が手に入れた住まいの形。鎌倉を知り尽くしているが故の物件選びから、30代家族の等身大な改装計画までをご紹介していきます。
この方との出会いは日曜日の夕方。ふらりと自転車でお店にやってきたお客様はやや熱っぽく(今になると稲村にあるジムの帰り道だったからでしょうか)自らの考えるライフスタイルのイメージをお知らせしていただき、その日はお話を伺うだけで、後日おすすめできそうな物件があれば紹介する形となりました。
生まれも育ちも鎌倉市大町。当時借りていた家も鎌倉市小町という根っからの鎌倉っ子。土地勘は私よりも圧倒的に身に染み付いていて、なおかつデザイン会社に勤めるお客様は、カッコいいモノへのこだわりもお持ちの方なのではと心の準備をしていたのですが、前者の土地勘についてはさすが鎌倉っ子だけあって、歴史ある鎌倉旧市街地に近い所からは離れたくないという思いが強い方でした。しかし、モノへのこだわりは身の丈に合った資金繰りを重視していて、ローン等の支払いは楽にしたいという思いが強く、カッコいいものは自分たちでできるだけ低コストに工夫して作りたい。というご要望でした。
単純に家族のことを除いてご本人だけで考えると、家はボロを買って自分たちの仲間と一緒に改装できればくらいのイメージだったと思います。そこで中古住宅を改装する方針で物件選びがスタートしました。
それから家を買うまでには約半年間、物件を紹介してはお客様がネットの地図でチェックして、気になる物件があれば一緒に現地を内見いただくことを何度か繰り返し、私もお客様も目指すものが一致しはじめた頃、随分前に紹介していた物件が値下がりしたことをお客様が発見し、再検討いただくこととなりました。お客様曰く、そこは「魔界」と言われるエリアだったのです。(続く)