ガーデナーの秘密基地

高台の住宅地、広い庭と開放的な窓。きっとここは、ガーデナーの秘密基地にぴったりだと思うのです。

260平米超の敷地に、築55年の平屋がちょこんと建っています。日当たりのよい南向きの庭は平坦な部分で100平米程度はありそうで、本気の庭づくりにうってつけの広さ。実用性を求めたい方は果樹を植えたり畑を耕してエディブルガーデンに。あるいは、レンガ敷きの通路のわきに薔薇やハーブが揺れるイングリッシュガーデン。ガーデナーの夢の家が実現できそうです。

そんなインスピレーションを湧かせてくれたのが、平屋の存在。白と淡いピンクのとても可愛らしい外観から、飛び出している2畳ほどのサンルーム。ガーデナーとしては嬉しいのではないでしょうか。暑さ、寒さから可愛い植物たちを守ることができますし、いっそ熱帯の珍しい植物の栽培に挑戦するのも良いかも。

庭に面しているLDKの前には屋根付きのテラスがあり、庭仕事の合間に自家製ハーブティーで一息入れたり、道具の手入れをしたりもできそう。南向きの窓は全ての部屋から庭に向けて大きく開かれており、植物たちを眺めてにんまりすることも、手入れに飛び出していくことも可能です。

さらに嬉しいことに、家も素敵なのです。多少の増改築は行っているようですが、キッチンや造作家具はおそらく新築当時のもの。昭和40年代のレトロな雰囲気が残っています。建具などのサイズ感がこの年代にしては少し大きめで、「フラットハウス」というのがしっくりくる感じです。

インテリアはくすんだグレーがインテリアにまとまりを与え、クロスや障子紙の選び方も気が利いています。風呂場のタイルの色まで微妙なピンクグレーで、色へのこだわりが半端じゃなく、きっと新築時はとてもモダンだったのだろうと想像します。

屋根はおそらく葺き替え済み、外壁塗装もやり替えてあるように見えますが、木部の塗装はそろそろ塗り直しが必要でしょう。内部は築年なりの古さがあるので、全体的な調査と改修を前提とした方が良さそう。

改修を想定してみても、水まわりの更新は必要そうですが、位置や間取りを大きく変えなくても現代人の暮らしとフィットしそうな気がするので、そのあたりは是非、現地でお話できれば。もちろん、建物は建て替えも出来るのですが、個人的にはこの雰囲気が好きな方に是非とも引き継いでもらいたいと思ってしまいます。

最後になりますが、立地について。緩やかな斜面に沿って段状に造成された、鎌倉中央公園にほど近い静かな住宅地。それぞれの区画が大きく、緑も豊かで抜け感があります。分譲宅地の他に集合住宅もあるエリアなので、徒歩圏内にスーパーや病院もあり。車だと大船駅、北鎌倉駅までもそれぞれ約15分、最も最寄りのモノレールの湘南町屋駅までは徒歩でもバスでも。

ガーデナーに限らずウェルカムですが、ついつい、数年後ここを通る時は庭がいきいきしてると嬉しいな、と想像してしまうのでした。