子どもたちの声が聞こえる部屋-改装素材-

少子化が進んでいるこのご時世、子どもの声が聞こえるのは微笑ましいことだと思います。たまに騒音扱いされて園庭が使えなくなる、なんてニュースを耳にするたびになんだかなぁと悲しくなる今日この頃。この団地も時代の波にあらがえず高齢化が進んでいますが、あまり哀愁を感じさせないのは子どもたちの声が聞こえてくるからかもしれません。

団地の隣には幼稚園があります。美術館を思わせるようなモダンな平屋の園舎と広々とした園庭。撮影のタイミングがちょうどお迎えの時間に重なったようで、元気いっぱいの子どもたちが「おかあさーん、みてー」と鉄棒で逆上がりして自慢げな顔をして見せたり、お父さん目がけて一直線に走って行き抱きついて甘えてみたり、なんとも微笑ましい光景が窓の外に広がっていました。

今回募集する部屋は、北側の窓からこの光景を眺めることができる嬉しいポジションです。朝、玄関で子どもを見送り、窓から「いってらっしゃーい」「いってきまーす」と言い合える。日中は、ジャングルジムの頂上に登ってこちらにピースサインしてる様子を見て「あぶないなぁ」と心の中で呟きつつ、「大きくなったなぁ」と少しにやけながら仕事したり家事したり。もちろん、「ただいまー」と「おかえりー」も日々のルーティンとなるはず。文字通り子どもの成長を見届けることができそうな部屋です。

広さは約55平米の2LDK。オリジナルは3DKですがオーナーが壁や押入れを取り払い、やや圧迫感のある間取りを広くしてくれたおかげで、日中は南北の窓から陽射しが入り込んできます。改修するとしても間取りの変更は必要なさそうで、リビングの垂れ壁や一部仕切り壁を取ってあげれば、さらに開放的な空間になるかと。個人的にはあえて残してある天袋やトイレと洗面の剥き出し配管などが一周回ってモダンにも見え、撤去したり隠したりせずこのまま残したい気もします。4人家族でも工夫次第で楽しく過ごせるのではと感じました。

団地は今年で築50年目を迎えます。高齢化は進んでいますが管理体制がしっかりしているおかげで、日々メンテナンスが行われ、昨年の大規模改修では外壁の塗り直しやバルコニーの手すり、各部屋の窓はペアガラスに交換されて快適性も向上しました。

実は徒歩圏内には小学校と中学校もあり、幼稚園を卒業しても子どもの成長を身近に感じられる環境です。余談ですが、幼稚園の裏には東海道新幹線が走っています。オーナーによると、一日に一度はあのドクターイエローも走っていたそうです。「電車好きの子がこの部屋に住んだら楽しいだろうね」とニコニコしながら教えてくれました。