作家の山荘

僕がこの家で小説を書くならば。主人公は森の中に佇む小さなペンションの女主人。庭には小さなみかんの樹。ここには人生に疲れた人や、心に重たいものを抱えた人がフラッとやってきます。森の中で女主人や他の客と触れ合っていくうちに気持ちが軽くなっていつのまにか旅立っていく。そんなストーリーがふと頭に浮かんできました。

赤い三角屋根にパッチリと開いた目のような窓が印象的な一軒家。そのフォルムと緑に囲まれたロケーションは、勝手に妄想している小説のペンションのイメージに近いものでした。海峰苑という別荘地にあるものの、特にリゾート感はないので良い意味で肩肘張らずに過ごせるはずです。

広さは約61平米の2LDK。室内は今のオーナーが昨年12月に改修を入れていて気持ち良い空間となっています。窓から見えるのは周囲の木々、そして開けた南側には緑の斜面に埋もれるように建つ別荘群という眺望は見ていて飽きません。春に山桜、秋には紅葉と期待してしまいます。南に面した庭で家庭菜園なんかも楽しそうですね。

もちろん小説家専用住宅ではないので、絵を描きたい、曲を作りたい、心をリセットしたいなど、使い方は自由です。本宅でも十分暮らせるものの、まずは週末の休暇や集中したい時に滞在するセカンドハウスという使い方で様子を見ることをオススメします。

住所は伊東市宇佐美、といってもピンとくる方は少ないかもしれません。熱海駅と伊東駅に挟まれたこじんまりとした宇佐美駅前には、数軒の飲食店や温泉宿（日帰り温泉も）が点在し、歩いて5分のところに遠浅の宇佐美海岸があるというのんびりしたエリアです。オーナーから聞いたのですが、「みかんの花咲く丘」という童謡のモデルとなった地でもあるそうです。物件から駅に下っていくと、海に向かってなだらかにみかん畑が広がる風景に出会えます。

余談ですが、僕の田舎では12時のサイレンが「みかんの花咲く丘」だったので、メロディを聴きながらどんな場所なんだろうと子供ながらに想像していました。今まで曲名を知らなかったので、そのメロディを聞いて、30年以上前の懐かしい記憶が蘇ってきました。

内見に来る時は、ぜひこの曲でイメージを膨らませつつお越しください。