山の茶屋-短期賃貸-

鎌倉に移住したいけど、その前に少しだけ住んでみたい。そんな皆さまへ朗報です。緑の中の一軒家を短期貸しすることになりました。

物件のある扇ガ谷四丁目は鎌倉駅から少し離れた緑が迫る谷戸エリア。駅からのフラットな道は緑が深くなるにつれて次第に坂道に変わり、さらにそこから階段を数十段上った先に今回の物件が建っています。

ここで暮らすなら、坂道や階段をしんどいと思わず、ぜひこのアプローチこそ楽しんでいただきたい。心持ちとしてはハイキングの途中に立ち寄る山のお茶屋さんです。この家にたどり着き、歩いて来た道を振り返ると抜けた眺望と緑が広がっていて、ここまで上ってきてよかったと思えます。

建物は数年前に工務店の社長が購入しコツコツと改修を入れてきました。天井を抜いて吹き抜けを造ったり、壁を抜いて空間を広げたり、大きなピクチャーウィンドウを入れてみたり、逆に閉じてみたり、色漆喰でシックにしてみたり。そのおかげなのか、どの部屋に居ても明るくて閉塞感がなく、風が抜けて居心地が良いんです。

リビングダイニングは吹き抜けにトップライトが設けられ、日差しが降り注ぐ広い空間に。天井で隠されていた立派な小屋組が現しになり、あえて残したままの鴨居や欄間などで無骨な印象を受けますが、朝日が差し込むこのダイニングで窓の緑を眺めながら飲むコーヒーの味はいつもとは違うはずです。

何より嬉しいのは家全体が緑に囲まれていること。窓を通して入ってくる緑はいきいきとしていて、まるで山荘にいるかのような気分になります。個人的に好きなのは2階の寝室。白く塗装した壁と三方の窓からの緑の対比にやられてしまいました。

山に近いということは、昆虫やイモリ、リスといった小さな隣人達と共存する必要があるということでもあります。窓を開ければポトリとヤモリが落ちてくることもあるし、気配を感じて振り向けば大きなクモが壁に張り付いていることだってあるはずです。そんな時はそっと見守ってあげるか、優しく外へ出してあげましょう。

最後に、この物件のとても大事なポイントはまだまだ改修の途上だということ。カッコよく快適に改修した一軒家、ではなく改修したい余地をたくさん残しています。例えば、玄関前の見晴らしデッキには柵がないので落ちないように注意が必要だし、浴室は一部が構造用合板とコンクリの簡素な仕上げでシャワーしか付いていないし、気密性断熱性も期待できず隙間風が入ってくる可能性もあります。余地の部分があるからこそ、暮らしの中で工夫が必要になってきます。きっとその工夫が暮らしをより面白くしてくれるはずです。

一通りの家具、家電、食器、寝具は揃っているのですぐにでも生活をスタートできます。好奇心とチャレンジ精神、そしてほんの少しの忍耐力を持ってお越しください。

※民泊、事務所、店舗でのご利用はできません。住居兼用の事務所やアトリエ利用は可能です。