無骨な優しさ

アイアン作家が自ら手を加えた自宅、ということでお邪魔する前から「どんな空間なのだろう」とワクワクしていました。階段と坂を上って見えてきた平屋の家。ストーブの煙突があるシックな外観に期待が膨らみます。

室内に入ってみると、まずリビングの解放感と明るさにほっとします。もともとからある梁と大黒柱の存在感を感じさせつつ、トップライトも設けてより明るい空間に仕上げたのは平屋ならではのアイデアです。床は全面貼り替えられており、ブラックウォールナットの床材は美しく経年変化しています。

リビングは、調理もできるストーブ、古建具屋で購入した扉にアイアンの取っ手付けた収納扉、玄関との間に設けられた引戸…たくさんのアイアンの作品にあふれています。触れるとひんやりとして鉄の無骨さも感じるのですが、同時に温かみを感じる作品たちでもあります。部屋全体の印象を引き締めつつ、優しく空間と調和して家族を見守っているように、私には思えたのです。

リビングからは庭側にでることができ、この掃き出し窓は大きく片開きで開放できます。外で遊ぶ際にはこの窓をオープンにして楽しみます、とオーナー。そして東側にもウッドデッキがあり、キッチンの横から外に出ることができます。こちらは大人のための空間かもしれません。朝のコーヒー、夜空を見ながらの晩酌タイム。そんな時間を過ごしたくなります。

キッチンに窓があるのも素敵で、窓の先には木々が見えます。初夏に向けて緑の新芽が出てくる時期もとても楽しみです。

洋室は2部屋。それぞれコンパクトながら、ちゃんと庭や竹林といった緑を感じられる空間です。現在は子供部屋、主寝室という使い方をしていますが、例えばご夫婦二人の暮らしやお子さんがまだ小さいご家族であれば寝室とリモートワーク部屋という使い方もありかもしれませんね。リビングの横に収納とデスクが備え付けられたスペースがあるので、そちらで宿題をしたり、リモートワークというのもおすすめです。

本物件は現オーナーが約14年前に取得した際に、リビングを中心に大がかりにリノベーションした物件となります。リビングは窓もペアガラスのタイプにするなど手を加えており、床暖房も備え付けています。また、浴室、トイレなどの水まわりも同時期に交換しています。

洋室2部屋など、一部は窓が昭和な雰囲気のアルミサッシのままで使用しています。リビングに比べると、そこまで大きく手を加えていない空間です。もちろんそのままでも生活できますし、取得を機にこちらにも手を加えてみよう、というのもいいと思います。

庭には梅の木、そしてモミジの木も。季節を感じる庭のある暮らしも北鎌倉ならでは。そして、駅から徒歩5分という距離でありながら、この抜けた眺望があるというのもいいですし、風通しもよく、朝は鳥の声で目覚めるような気持ちよい環境です。

家までのアプローチは、細い階段と坂道となります。車は侵入できませんので注意してください。とはいえ、階段にはスロープもあるので自転車を敷地まで持って行くことはできます。駅から近いこともあり、車を持たない暮らしにシフトするのもいいのでは、と思いました。

北鎌倉で憧れの平屋暮らし。それだけではない、日々の暮らしの楽しみに溢れた空間と環境だと思えます。階段などの大変なこと以上のメリットを感じていただけると嬉しいです。


※前面道路は建築基準法に定める道路に接していないため、原則として建築物を建築、増築、改築等をすることはできません。
ただし、建築審査会の同意を得て建築基準法43条1項但書きの許可（包括同意基準の許可）を受けた場合には、建築物の建築等が可能となります。
※上記より、住宅ローン等の融資を受けることは難しい物件です。
※売主居住中のため内見日時の調整にお時間をいただきます。
※写真の家具家電等は販売価格に含みません。