ちいさくてもいいから

大磯駅から山側へ。ぐいぐいと結構な坂道を上っていくと、小さな家がふたつ仲良く並んでいます。この小さな家、いろいろとコンパクトなのに、欲しいものがそろっていて、なんだか楽しくなっちゃいました。

鎌倉Ｒ不動産ではどんな家が欲しいかという話になると、「小さくてもいいから、庭があって、車が止められて、キッチンからお庭が見える家が欲しいんです。」っていうお話をよく聞きます。この頭に付く、“小さくてもいいから”ってもしかするとこの家のことだったのでしょうか。

ちなみに、さらにＲ不動産では、レトロな味わいを求めて、中古物件を探していると、自分と同じ年の物件に出会うというのも、あるあるです。

少しだけ非日常的な生活を求めるおひとり様が、悠々自適にこの戸建てに暮らす。そんなイメージが自然にできてしまったんです。ま、もちろんお二人様でもいいんですけど。

大きすぎない庭はまさに自分で管理できる庭としてちょうどいいサイズ。日当たりはしっかりあるので、かなり理想に近いと思ってくれるはずです。ここで試してみたかった家庭菜園をプランターではじめてみる。いきなり地植えで土を耕すのはハードル高そうなんで。

そんなことも全然ありな環境がこの家のいいところ。この家は道路から少し高い位置にあるので、そんなに人の目が気にならないので、いろいろと失敗してもいいのです。これって結構、気楽でいいです。

ちょっとしたハーブやミニトマトがうまくいったら、すぐにそれを摘んでキッチンに行けるのもうれしい。古い戸建ては台所が裏方的な存在で庭から遠い位置に配置されていることが多いのです。それが今回のリノベーションによりキッチンが庭側へ移設してくれたのです。

これにより、自分だけの『趣味の園芸』＆『きょうの料理』の二大老舗番組を演じる気分であれこれ挑戦できそうですね。もうこなると妄想が止まりませんね。これまで買い続けてきたけれど、あまりちゃんと読み込んでいなかった『暮らしの手帳』が遂に役に立つ時が来たのです。

畳の部屋で素敵に暮らすにはどんなアイテムが必要なのか、あの欲しかった箒（ほうき）が似合うのではないか！？そして念願の干し野菜にも挑戦してみたいですね。干しかご3段に角盆ざるはマンションのバルコニーではなく、庭付き一戸建てが似合うのです。

水まわりも期待に応えてくれる仕上がりです。レトロなタイルと床材に少しぼてっとしたかわいらしい浴槽や洗面シンク。これに似合いそうなアイテムでカスタムしたい。そんな気持ちを汲んでくれたのかどうかは知りませんが、洗面台の前にはアンティークの鏡を自分で選びたい。シャワーカーテンはどうするか、それはちょっと後で考えることにしよう。

吉祥寺のアンティークショップでみつけたちゃぶ台や、日本橋で見かけたふっかふかの座布団、中目黒で見た気がする和風レトロ照明、〇〇商店のサイトで何度も見たあの食器。あれもこれもこの家に似合う気がしてきた。

いや待てよ、その前に車だ！この家の車の止め方はちょっとクセが強い。坂を上がってぐいっと曲がるので車高にも注意が必要だ。でも、誰にも言っていないが私は運転がうまいし、ドライブが好きだ。せっかくだから一度乗ってみたかったパジェロジュニアを探してみようか。

といった具合に、妄想が止まらない家でした。