寝ても覚めても

眠りにつく時も、朝、目が覚めてからも。美しさの中に自分を置けるというのは、とても幸せな体験だと思うのです。西欧の世界観をまとった逗子マリーナの街並みだけでも旅に出た気分になれそうですが、ドアをあけるとさらにこんな部屋が待っているなんて。

鎌倉R不動産では、これまでも多くの区画をご紹介してきた逗子マリーナ。久々に訪れると、相変わらず気持ちのいい風が吹いていました。この部屋のある７号棟は海には面していませんがヤシの木と白壁とオレンジ瓦の建物に囲まれ、世界観にどっぷりと浸れます。その1室、ある建築家が改修を手掛けた区画のご紹介です。

玄関を開けると目に入るのが、塗床に反射してゆらめく窓からの光。洞窟のような玄関まわりの黒い壁を通してみるその光景が、なんとも印象的な美しさなのです。

室内は白、黒、オレンジ、グレーと木材による構成。塗り跡を残した漆喰の表情はかっちりし過ぎずクラフト感があり、なんとなく温かみのある雰囲気を生んでいます。

ベッド台は角材の断面を並べた木工作品のようでユニーク。ベッド台の下は引き出し収納で、服などをしまうのに重宝しそうです。窓側には畳が1畳分拡張されており、座り込んでくつろぎたい時、畳の香りや感触はやっぱり落ち着きます。

ちなみにこの畳、「京間畳」（1910ミリx955ミリ）よりさらに少し大きな特注品で、縁なしで色もシックなベージュ。建築家の手にかかると畳もこんなにもしゃれたものになるのね、と感心しました。

リビングから出られるバルコニーからは異国情緒を感じられる向かいの棟と、海に浮かぶヨットが。天気のいい日は、思わず昼からビールを空けてしまいたくなるご機嫌なビューです。

水まわりは一室にまとめられています。浴槽は小さめサイズで、上部のガラスから優しい光を取り入れられます。タイルの割付も工芸品みたいで眺めるだけでも愉快で、モザイクタイルで仕上げられたニッチには何を置こうか、楽しく悩んでください。

洗面所と浴室の間のガラス扉は下に少し隙間があるのでシャワーの向きには注意が必要ですが、その辺も海外っぽいといいますか、愛おしさに変わっていきそうです。

そう、なんとなく海外の香りを感じて建築家について調べてみると、ポルトガルに事務所を構えられているようです。なるほど、西欧の海辺の町の漆喰壁や、磁器タイルの感じを逗子マリーナに落とし込むとこうなったのかしら、木工っぽさは逗子マリーナのオリジナルの木製建具や共用部の郵便受けへのオマージュかしら、などと勝手に解釈した次第。

さらに、オーナーに話をきくと、この部屋は「ゆっくり本が読める部屋」というシンプルなオーダーから設計されたものらしい。そういわれると、おやっという場所にニッチが彫り込まれていたり、ベッドサイドには単行本を並べれられる本棚が。浴室のニッチにまで本を置くと、さすがにしなしなになってしまうでしょうが。

立地としては鎌倉駅、逗子駅までも車で約10分程度。東京の西あたりからだと車で1時間半程度。週末住宅としてもおすすめ出来ますし、もちろん本宅としても。

今日は本を読むんだと決めた日は、電子機器はシャットアウト、ベッドまわりのカーテンを閉めて読書に没頭。気づけば日もとっぷりと暮れ、近所の魚が美味しい定食屋で夕食をとり、月明かりが差し込む部屋で眠る。目が覚めてベランダに出ると青い空に白いヨット。今日は葉山の方にでも出かけてみようか、それとも鎌倉散策に行こうか。

肩ひじ張らず、でも丁寧に気持ちよく。この部屋に似合う暮らしをしてみたい、と思える部屋でした。

※家具家電付の賃貸です。
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