農道の先の自由

＜価格変更となりました＞
どこまでも続く畑の真ん中の道を、なんとなく道なりに進んでいく。途中、いくつかの分かれ道を片目に、向こうに逸れたらどこにいくんだろう。なんて考えながら、久しぶりにワクワクする体験をしました。

思えば休みの日に探検と称して当時の愛車ジムニーでズンズンと進入していたエリアでした。行き止まりまで行ったところで転回できず、鬼バックした記憶がよみがえります。あれから10年ほどでまた少し開拓が進んでいたことに気がつくと、分かってくれる人たちがいたんだな。と勝手に思っては仲間が増えた気持ちと、それ以上に開拓者の勇気への憧れと敬意を感じます。

三浦はちゃんと、ゆっくりながらも進化しているんですね。

今回もその勇者の挑戦がきっかけになった土地と言えるかもしれません。この場所は農道からさらに奥に進み、陸橋を渡った先にある小さな森の中のようなところ。だれにも教えたくない秘密基地のような場所があるのです。航空写真で見ると楽園のように感じる人もいるかもしれません。

油壺湾に張り出した小さな半島のような場所。ここは海面からこんもりと丘状に隆起している地形であるために外部からはあまり知られていない場所かもしれません。

このエリアでは油壺のマリーナを森の木々の隙間から覗き込むことができるのです（写真3枚目）。敷地内からは海を見ることはできませんが、すぐ近くの坂道を下ればマリーナの対岸に辿り着けてしまうのです（写真6枚目）。まさに秘境ですね。

土地面積は約170坪あり、現在は木々が枝葉を広げています。ここにある木々をしっかり診断して、残すべき木をそのままに建築を計画していきたいですね。最近は環境に配慮したカッコいい建物がずいぶんと増えてきた印象がありますし、究極的な様にも見えるかもしれませんが、ポツンと小さな倉庫だけを置いて、使うときにだけキャンピングカーで倉庫に横付けすることで家になるタイニーハウスのような仕組みで楽しむのもいいかもしれません。

ただし、途中の道がやや狭く、道路の一方は急な崖だったりしますので、車幅があり過ぎると通行に注意が必要です。そしてこの道は一方通行ではないので、農道では譲り合いの気持ちをお忘れなく。

取材に行った日に、大型犬を乗せた元気な車の方に道を譲ってもらったのですが、その方が上手く譲り合えたことをとっても楽しそうにしていて、それを見てこちらも幸せな気持ちになりました。前述の仲間が増えた感じです。この先のエリアの住民がこんなにキラキラしているんだったら、このエリアは良い方向に発展しているんだろうなと実感したのです。

この秘密の場所を、秘密のままにして、遊べる環境をつくること。そうすることで、この土地が持つ自由を最大化させることができるのではないでしょうか。