海風と陽だまり

ここはマンションの最上階。角部屋にあたるこの区画には、東向きのバルコニーと南側に窓が備わっています。心地よい風が通り抜けていくのが気持ちいい。

バルコニーに出てみると、視界を遮る建物はなく、家々の屋根越しに海の気配が感じられます。奥行きはややコンパクトですが、陽当たりがいいので、小さな植木鉢で厳選した植物を育てたくなります。

ワンルームの洋室は、一人暮らしには十分な広さ。家具のレイアウトも工夫したいところです。たとえば低めのソファをバルコニーに向けて置けば、青空がぐっと近くに広がります。家具は木の質感で統一し、照明や花瓶、食器にビビッドなカラーを取り入れてアクセントをつけると楽しそう。

造作キッチンが備わっているのも嬉しいポイント。日々使う道具を隠すようにしまうのでなく、あえて暮らしの景色として飾るように置くことで、使い勝手と美しさを両立できるのも魅力です。

キッチンの小窓からは松の木がひょっこり顔を出し、たまに小鳥が羽を休めにやってきます。そんな景色を眺めながら料理をする時間も心豊か。作業スペースがもっと欲しければ、小さな作業台を置くのもおすすめです。

場所は、藤沢市鵠沼海岸。最寄りの鵠沼海岸駅から徒歩10分。藤沢駅からはJR東海道本線で品川方面、小田急江ノ島線で新宿方面と都心へのアクセスも良好です。

鵠沼海岸駅周辺には、商店街があります。メルボルンのコーヒー文化と本場の味、グルテンフリーの自家製スイーツが味わえるカフェや身体に優しい点心、薬膳ご飯が食べられるお店など、地域の方に愛されるお店が並んでいます。

そして、建物から海までは徒歩5分。バス通りをまっすぐ進むのですが、向かい側には湧水が有名な鵠沼伏見稲荷神社の鳥居が見えて、なんだか縁起のいい景色。季節を問わず、サーフボードキャリア付きの自転車に乗った日焼けしたおじさん、サーファーの姿があります。海水浴シーズンになると観光客の姿も多く、そんな風景がこの街の日常のように溶け込んでいます。

少しだけ注意点をお伝えしておきます。建物はバス通りに面していて、周辺には一定の交通量があります。ただし、本区画は車道側と反対の区画ため、騒音というほどの音は感じませんでした。

都内へのアクセスも譲れない。でも、海辺で暮らす気持ちよさも捨てきれない。そんな2つの気持ちを大事にしたい方へ。鵠沼海岸は、きっとその答えのひとつになる場所です。