裏山からオーシャン

お寺の裏山に居を構え、木々の間からオーシャンビューを眺めながら、材木座海岸へ向かう。生活の中に歴史があり、海がある。ここに住んだら、そんな鎌倉を体現するみたいな生活が送れそうな物件なのです。

材木座海岸あたりから坂道を登ってトンネルを抜け、中学校を横目に進むと、だんだんと緑の密度が濃くなっていくのを感じます。やたらと長いレンガ塀に沿って行くと、突き当りにその家はありました。

この家、素材は相当いいものを使っているという事前情報があったのですが、外観からして、軒桁を支える丸太の立派さに度肝を抜かれました。そして玄関を入ると、美しい板目をみせている重厚なケヤキの床。宮大工がこだわって素材を選んだとのことなのですが、納得の美しさ。ケヤキ材の柱梁、造作の細やかさからも、ちょっと特別な家だということが建築好きな方にはわかってもらえると思います。

間取りは、1階に2室、2階にも2室（しかも可動間仕切りを使えばさらに1室）の個室がある4LDKなので、個室主義のファミリーや、独立した仕事部屋や趣味部屋が必要な方、やっぱり家は広い方がいいよね、という方には嬉しい間取り。民泊やシェアハウスは不可なので、そこはご注意ください。

そして、緑の近さもいいですね。玄関へのアプローチや縁側まわりは、竹垣や天然石で和の庭が整えられ、クマザサやモミジなどが端正に植えられています。和室の障子を開けるとアジサイがちらりとのぞき、風呂の大きなガラス窓からは裏山の竹やシダが光沢のあるタイルに写り込んで眩しいほど。北側に山を背負っているので、山から枝葉や虫たちが元気に越境してくるのはある程度覚悟した方が良さそうです。

家から海は見えませんが、徒歩1分の展望台からは天気が良ければ富士山と海が一望でき、さらに下ったトンネルあたりからも、キラリと光る海が。そのためなら坂道だって頑張れそうです。

聞けば、これまでの住人も海好きの方が多かったらしく、今は可能かわかりませんが、裏山から光明寺の境内をつっきって波乗りに向かうのが日課の方もいたとか。公道を通っても材木座海岸までは歩いて10分ほど、自転車を飛ばせば5分ほど。海開き前の材木座の海岸は、寝転がって本を読んだり、幼稚園帰りの子供と遊んだり、日常の海という感じがしてふらっと立ち寄りたくなる場所でした。

せっかくなのでふもとの光明寺もお参りしたのですが、重要文化財である本堂は後世に引き継ぐための約8年にもわたる改修工事中。行きに気になったレンガ塀内の敷地はこのための工事用地だったのでした。と言っても、大型車両の出入りや騒音が出る使い方ではないので、ご安心を。

知れば知るほど、このあたりには史跡がたくさんあるようで、海岸への道すがら、歴史散策してみてはどうでしょうか。

※敷地の一部に土砂災害特別警戒区域が含まれます。
※敷地に至るトンネルが令和8年6月（予定）まで工事中のため車両の通行ができず、迂回路を通っていただくことになります。