雪ノ下のオーベルジュに

この家をプレミアムなオーベルジュに仕立てたら、とても素敵なのではないかと思っていました。都心から一時間ほど、鎌倉駅から徒歩7分、鎌倉観光の拠点として便利な立地で駐車スペースも余裕があります。鎌倉でプレミアムな食と宿泊の非日常を体験できる宿にしてみるのはどうでしょう。

宿泊は1日2組限定とレストランとしての運用を想定。地元の食材をふんだんに使った料理を楽しんでいただき、観光で疲れた体をリラックスできる風呂やサウナも完備して。

物件は鎌倉駅から徒歩7分ほど、段葛から路地を入ってすぐの立地で付近は閑静な住宅地です。建物はセキスイハウス施工の重量鉄骨造。1階が車2台分のシャッター付きガレージと約11帖の納戸。ここはご主人の仕事場として使用されています。他にも階段下収納スペース、大型のシューズクローゼットが装備されています。

2階は約19帖の広さのリビングと一段小上がりになったダイニングスペースで計32帖ほどの広さがあります。オープンなキッチンと家事スペースとして利用できるユーティリティスペースの構成。浴室は1.2坪ほどの大型のユニットバスと2ボウルの洗面所とトイレ。

3階は家族それぞれの居室。北側は約14帖ほどの広さの洋室。南側は8.5帖の主寝室と9畳和室の構成、2.5帖ほどある大型のウォークインクローゼットと洗面、トイレがあります。

敷地は約57坪ほどの広さがあり、ガレージ前は車2台がゆとりをもって置ける広さがあります。レイアウトとしてはシンプルで延べ床面積が大きい住居ですが、ここをオーベルジュに改装しようとしたらなにが必要か考えてみました。

宿泊は1日2組、レストランとしてのテーブル数は4卓＋個室のケースで想定してみると、1階シャッター付きガレージをゲスト用車寄せや荷物搬入口として、11帖納戸は浴室とサウナ、リネン類のストックルームとして、可能であれば共用のトイレを設置。2階リビングダイニングは食事提供のエリアで小上がりもしくは現況AVスペースを個室として仕切ることも想定。

キッチンは業務仕様にアップグレードし、現況のレイアウトを変更、ユーティリティスペースもパントリーとして活用。現況浴室の位置が運用上難しいが、レストランの入り口を新設すると宿泊者との動線が分けられそうです。

3階は宿泊者専用フロアとし北と南の2部屋。特に南は和洋室として布団とベッドの両方で最大6名は収容できそう。北側洋室は現況出入り口が2箇所あるため、利用人数によって可変性があるのがメリットです。3階のトイレ、洗面コーナーのスペースが狭いためレイアウトの工夫が必要でしょう。

オーベルジュとしての利用は現況200㎡を超える床面積のため「用途変更の確認申請」が必要になります。合わせて旅館業法の許可、保健所審査、消防法に則った改修などが必要となります。

事前確認と許可申請、建物改修と時間と費用がかかることが想定されますが、それをもってしてでも魅力的な立地、建物なのです。

オーベルジュといえば基本は食でありその延長線上に宿泊があると定義されています。その土地の新鮮な野菜などを使用したフランス料理が主ですが、ジャンルにとらわれない鎌倉や相模湾周辺の食材を地元シェフと提携してお客様に堪能していただくというのはいかがでしょうか。

いずれここがオーベルジュになって、いつかミシュランガイドやゴ・エ・ミヨに掲載されるといいなと思ったのでした。

※家具、調度品は付属しません。