鎌倉自然派アパートメント

鎌倉駅から鶴岡八幡宮方向へ。一般的な観光客があまり多くない住宅地エリアは、静かで自然が人間のモジュールにしっくりくるサイズ感で、歩いていて気持ちが良いです。

実は鎌倉の駅周辺は小さな水路がいくつもあり、緩やかなカーブをつくり、そこに咲くアジサイやサルスベリ、そしてカーブの先にある素敵な家が街の表情をつくっているように思います。

この物件は見た目の素敵さもさることながら、環境面でもすぐれた性能をもった長屋形式の集合住宅です。こうした集合住宅が前述の水路や小さな公園の先にすっと現れる感じはいろんな意味で新しい鎌倉の価値、そしてこの不動産の価値を互いに高めていると思います。

建物のことについて少し触れると、高気密高断熱を追求し温熱性能を高めることで、室内全体の温度・湿度を安定させることができているそうです。その結果として賃貸物件としては前衛的と思いますが、身体の体感としての快適さや省エネなどを実現しているのです。

それでいて、某大手ハウスメーカーの規格品の寄せ集めのような空間ではなく、鎌倉駅徒歩7分という好立地において快適な一人暮らし空間を素敵につくりあげていることを評価したい物件です。

3層の木造建築であるこの建物、今回募集区の区画は1-2階のメゾネット。1階部分は土間部分を大きく設けて縦長の開口部が少しパブリックなイメージを与えています。一方、2階は丁寧に計画された窓が効いています。目線が高く、緑が見えつつ抜け感がよい、プライベート性が確保されている印象を受けます。

この空間の切り替えが、自宅にいながらもプライベートと在宅ワークのON／OFFのスイッチになることを想定したのか、上下階で表情が異なる印象の空間構成になっています。

1階では大判タイルの土間が印象的で視線の先にある窓からは通りを歩く人が庭木の向こうにほんのり目に入ります。このくらいの外に開いた感じを生かしてカッコいい机と椅子で仕事をしてみたい。

2階は仕事が終わってから朝を迎えるまでの時間をゆったりと過ごしたい空間です。天井にあるカーテンレールで寝室空間をつくることもできますが、2階はワンフロアで過ごすくらいが快適に思えます。寝るときだけ篭りたい感覚がある人にはカーテンをするのもいいかもしれません。

敷地のすぐ脇を水路が通り、ちいさな公園があるおかげで、おそらく朝晩は鳥や虫の声がけっこう聞こえると思います。雨上がりの時には水路を流れる水の音も聞こえてくるかもしれません。また、ちゃんと横須賀線の電車の音も聞こえます。こうした環境にいることで、ここが鎌倉であることを楽しめると思います。

これからの鎌倉にはこうした集合住宅が増えるといいなと思いました。
＊内見は6月下旬頃から（入居は7月上旬予定です）